マンション経営のメリットとリスク
- 地震・災害による倒壊・破損リスク
- 地震・災害は回避できません。建物として如何に地震・災害に対して強固でメンテナンス性に優れ、かつ過剰な設備でコストパフォーマンスを悪くしないかが重要になります。
まずは建物が地震に見舞われたときに、倒壊・半壊しないように、最新の法制度の基に設計・施工がされているかを判断することが重要です。最新の大きな法改正は2007年6月20日に施行されたもので、建築確認制度の厳密化が図られました。従来の建築確認制度では設計だけ法令に適合しているものの、施工に際しては当初設計とは大きくかけ離れた工事をし、後付けで変更箇所を申告すればよいという風潮がありました。建物はすでに出来上がってしまっているために、法令に不適格な部分があっても見過ごされるケースもあり得るのです。これでは地震や災害に強いかどうかは判断できませんし、大きな欠陥があるかも知れません。記憶に新しい耐震偽装問題は、構造計算のデータ偽装と、このような建築確認上の手続き・現場検査の問題から起きてしまいました。現在の法令では構造体に係る部分の変更は適時申告とその許可が必要なため、不適格な部分はあり得ません。また、これらは設計上の手続きだけでなく、工事途中の検査においても整合性を求められます。法令に遵守した設計と施工が確保されています。
次にメンテナンス性において考慮すると、大地震やその他の災害が発生した場合に、どうやってメンテナンスをするかという問題です。近年、多く建てられているタワーマンションや大規模マンションの一部では、最新式の免震構造や制震構造が採用されております。これらの特殊構造は、タワーマンションや大規模マンションのような高さ・規模に適した耐力を持たせるためには必要なものですが、同等の特殊構造を小規模・中規模マンションに無理に設置する必要はありません。当社では、建物の規模に見合った構造の採用を行っており、適切なコストとメンテナンス費用を設定しています。マンションに限らず、特注品や海外製品、趣向を凝らしすぎた意匠はメンテナンス時に大きな出費を伴いますので、普遍的で代替品がすぐに手に入る工法・製品をバランスよく配するのが良いでしょう。