川田:今日はお忙しい中、お越しいただきありがとうございます。おちさんとの付き合いも当社設立前からで、かれこれ8年くらいになりますよね?
おち:川田さんとの最初の出会いは「お部屋探しカフェ」というコンセプトで、若い人たちに自分の気に入った住まいを探してもらうためのお仕事を引き受けさせてもらった時からですね。なぜかテーマソングやキャラクターまで作ったりして(笑)。その時も、これまでの常識ならありえないような企画をいろいろやらせてもらえて、すごく印象に残っています。
その流れで今年発売した「PREMIUM CUBE 不動前」では、人生初となるマンションをプロデュースさせてもらいました。
川田:ちょうど東日本大震災の前日に発売という、非常に難しい時期と重なってしまったわけですが、結果的には当社の月間売り上げ記録を更新するほど、多くのお客様に好評を持って迎えられました。
その理由として、当社のマンションは単にデザインや立地条件に優れているだけではなく、丈夫で安心して住める高い耐震性を評価していただいたことも、大きな要因です。
おち:これまで洋服や雑貨など、様々なモノをプロデュースしてきましたが、マンションのような大きなモノは僕にとっても初めての経験。外観からドアノブまで、一言でマンションといっても、様々なモノをデザインしていくので非常に苦労しました。でも完成した時、目の前に自分が作ったマンションが存在するという体験は、これまでにない衝撃でしたね。しかもこの先、長い間地図にも残っていくわけだから、プロデュース業の大きなやりがいや面白さを改めて再確認できたことも、僕にとってものすごく大きかった。
川田:当社は個人の方がマンションを所有することによる家賃収入で資産形成していく事業を展開していますが、「不動産を買う=バブル」というイメージが根強くあるんです。でも先日の大震災があって、特にこの先の将来に対する不安が大きくなっている中で、その不安を解消する一つの手段として「不動産を買う」という投資スタイルをもっと多くの方に理解してほしい。そのために今回、新たなキャッチフレーズをおちさんにお願いしたんです。
おち:確かに「不動産を買う」という行為は、特に今の若い人の親の世代にとってはすごく重い、というイメージを持っていると思いますね。でもよく考えてみたら、株や為替に投資するのはハイリスクな一方、よいマンションさえ手に入れれば、毎月安定した家賃収入が見込める不動産投資は、見方によってはかなり堅実な資産運用。特に今回プロデュースした「PREMIUM CUBE 不動前」は、これまでのワンルームマンションに対する常識を覆すほど、ハイクオリティでそこに住むことの価値を大きく高める要素を持っていますよね。
川田:「マンションを買って大家になるのはすごい!」というのはもう過去の話。もっとカジュアルな感覚で買えるのが、今。そのことをもっと、伝えたいんです。
そこで今回生まれたキャッチフレーズである「未来ガチ」につながるわけですが、おちさんはどのようにしてこの言葉を生み出したんですか?
おち:まず僕がキャッチコピーを考えるとき、「わかりやすい言葉」or「謎めいた言葉」のどちらかを選ぶんですが、今回は後者の方で「未来価値」というフレーズが浮かびました。
マンションを買うという価値が、未来につながるという意味で最初はいいと思ったんですが、「いや待てよ、何か違うな」と。
今回、特に不動産を買うことに抵抗がある若い人に向けたメッセージとしては、言葉の力が弱いと感じたんです。そこで「未来価値」という言葉をずっと見つめ続けているうちに「価値」が「ガチ」に見えたんですよ(笑)。
昔、僕が企画した「ガチンコ!」という番組でも使っていましたが、最近では若い女の子がごく普通の会話の中で、ガチという言葉を使ってるんですよね。それだけ若い人に定番化した「ガチ」という言葉ならきっと心に響くはずだ、と確信したわけです。
「ガチで未来が見える」という意味を持たせた言葉として、「未来ガチ」というフレーズが自然と生まれました。
おち:それと今回、 "トリプルミーニング"に挑戦してみました。ひとつの言葉に2つの意味を持たせる「ダブルミーニング」はよくあるんだけど、3つの意味を持たせるのは今回が初めてかもしれない。ちなみに3つの意味とは、先ほど触れた「未来価値」「ガチな未来」に加え、マンションを買う行為に「勝つ!」という意味を持たせることで「"ガチ"(本気)で未来の"価値"を"勝ち"獲る!」というトリプルミーニングを実現できたと思いますね。
川田:まさに私が期待していた以上のキャッチフレーズを考えていただいて、感謝しています。我々は東京駅前にも「未来ガチ」の屋外看板を出す予定です。多くの方に「何?」と思わず立ち止まって見入る効果を期待しています。
おち:これまで未来を考えるって、なんだか"照れ"があって避けていた傾向があったんだけど、大震災でこれまでの価値観や常識が崩壊しつつある今こそ、誰もが"ガチ"で未来のことを考えなくちゃいけない時だと思うんですよ。
川田:そう、もっと老後のこととか考えてほしいですね。例えば年金にしても、夫婦で月に38万円が必要とされているのに、今でさえ20万円程度。この先のことを考えれば、その数字が目に見えて減っていくのは明らか。自助努力をしたほうがいいではなくしなければならない時代に突入しました。
おち:特に今の若い人は年収が低くて、将来年金をもらえる見込みもないから「未来がない」と考える人が多い。でも、少なくとも不動産投資のようにアイデアや見方ひとつで、未来への価値を高める方法はあるはず。
川田:これまで話してきたように、不動産投資に対するこれまでのネガティブなイメージを取っ払って、それこそ生命保険や個人年金と同じように、もっと真剣に考えてほしいんです。
おち:だからこそ今回、"ガチ"という言葉を入れたわけです。
最後に伝えたいのは、今回の「未来ガチ」を通してもっと若い人たちに、マンションを買うというスタイルに関心を持ってもらって、面白がってほしいということ。例え買わなくても、シミュレーションするだけでもかなり面白いはず。
僕自身も今後、不動産が持つ価値をより多くの人に理解してもらうために、これまでと全く違う概念で楽しみながら発想し、発信していきたいですね。